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2011年07月21日

vsIOG、ヤルよ

 今回は、予定とパターンを変えて、7/31(日)開催予定のサバイバルゲーム・イベント「vs IOG 2nd. season」の特集をしたいと思います。

"vsIOG"は「度を超した戦争ごっこ」
 私とvsIOGとの関わりは、昨年5月、岩手のゲームに初参加した月の最終日曜日に行われ、まったく事情を知らないのに、面白そうだったので、押し掛けカメラマンとして参加させて貰ったのが最初になります。
 今回で2度目の参加なので、紹介するというのもおこがましいのですが、ユニークな地域イベントなので、地元以外の方に知って頂くお手伝いができればいいな、くらいの感じで書いてみることにします。
 このイベントに対する私の第一印象は、「大人の"度を超した"戦争ごっこ」でしたが、その理由は本文中でボチボチと説明します。
vsIOG、ヤルよ
※vsIOG2010開会式(2010年5月/空が涼し気です)


"vsIOG"は対抗戦
 「vs IOG」は、内容的には「岩手作戦群(Iwate Operation Group)」主催の「岩手交流ゲーム会」で、ゲーム形態は、岩手県内グループを「仮想敵部隊」、県外チームを「訓練部隊」とした対抗戦で行われます。前回は、150名参加の5時間耐久戦で行われました。
 駄文を費やすよりは、昨年行われた映像を見て頂いた方が話が早いので、いくつかのビデオを紹介します。

 最初は、「Gunsmith Engineer ( Gungineer )」としてもファンの多い「Gungitube」さんのビデオで、「訓練部隊」の視点からの映像です。
■岩手サバイバルゲーム VS IOG 前編 2010年5月30日

 ※是非、後編もお楽しみ下さい。

 次は、「仮想敵部隊」視点からのビデオです。
■Digest : vs IOG 2010 / Iwate Airsoft War Games


フィールドは東京ドーム6個分
 個人的な感想ですが、このイベントは普通のサバイバルゲームとしては、"規格外"なところがあります。
 そのひとつは、ゲームフィールドの広さにあります。
 この年のフィール設定は、マップ上は東西700m、南北420mを超えています。東京ドームの約6個分です。複数のフィールドを持つ有料フィールドを一度に全面使用したとしても、これだけの広さをもつフィールドは多くないと思います。"度を超した"要素のコレが1つ目です。

強襲上陸用舟艇 登場!?
 この広さを、ゲームにどう"面白く使う"かが、イベント企画の醍醐味となります。

 実際に行われた企画の中で、分かり易いところでは、車両やボートによる移動要素を取り入れたことです。
 車両移動自体は珍しくないと思いますが、北上川を正規管理者の運用の下に、ボートを使って敵の背後を"強襲する"なんて夢のようなことを、現実にやってしまうのです。実際に「Gungitube」さんのビデオの中で、ボートに乗っている際の映像がありますが、乗れた方が羨ましいです。コレが"度を超した"要素の2つ目です。

戦闘統制の追求
 見た目で分かり難いところでは、両部隊共に、無線機(特小)を活用した戦闘統制がされている点です。これによって、広いフィールドのどこで、どのユニットが、何をするか/しているかをコントロールできている訳です。上のビデオの中で仮想敵部隊の無線交信を残してありますが、CICCCPなどの用語が頻繁に出て来るのは、そうした事情からです。
 無線マニアというのは、機器に反応するものだとばかり思っていたのですが、このイベントを通じて、無線交信マニアがいることを知りました。映画で観るような訳にはいきませんが、リアルタイムで変化する戦況を統制していく様子を見ていると、戦場的な雰囲気はぐっと盛り上がります。コレが"度を超した"と思った要素の3つ目で、大人の「戦争ごっこ」だと確信した理由で"あります"。

作戦は掲示板で作られる
 前出のビデオには出てない重要な要素が他にもあって、ひとつは、両部隊に専用掲示板があり、そこで参加チームが情報交換や事前に作戦を練り上げていることです。
 これは、仮想敵部隊の岩手県内チームであっても、常に一緒に活動をしている訳ではありませんので、掲示板活用の効果は大きく、また、訓練部隊(岩手県外チーム)にとっては、遠く離れたチーム間でのリレーション確立には不可欠なツールだと思います。

ガチ+ネタ
 ふたつ目は、ガチな中にも、ネタ要素が盛り込まれていることです。文字で説明すると長くなるので、前出の「Gungitube」さんのビデオを参照願います。勝敗をポイント制にして、そのポイント要素にネタも仕込むことで、フラッグ戦&対抗戦というとガチ一辺倒になりそうなところに、異なった価値観を加えて、共存させている事が、このイベントの特徴になっていると思います。これを受け入れらるゲーム風土っていうのは、懐が深いゾと私は思いました。

今年はガチのフラッフ戦だ!
 さて、以上は過去のイベントの紹介でしたが、ここからは今年の状況を紹介します。

 申し上げるまでもなく、今年は震災の影響で開催中止の選択肢もある中、苦慮の末に敢えて開催を決定した、とのことです。
 開催時期変更等から、大幅な参加者減が懸念されましたが、宮城の甚大な被害を受けた地域の皆さんを始め、秋田、山形、首都圏からの参加者を含めて、約100名が参加されるようです。
 太平洋沿岸部のチームでは、津波で家ごと装備のほとんどがされ、友好チームから装備支援を受けてようやく活動再開、今回の参加に間に合ったケースもあると伺っています。仕事も遊びも一生懸命にやり遂げて、当日は、有意義な時間を皆さんと過ごしたいと思います。

縮小・中止からの最良のスタイルを
 とはいえ、全てが例年同様に行くはずもなく、準備期間の短さ、スタッフ確保が困難などの事情から、ゲーム内容をシンプルなフラッグ戦に変え、フィールドエリアの縮小(東西400m/南北340m/東京ドーム3個分弱)、前述の車両ボートの使用中止等、我慢と苦渋の決断を行い、"今のパワーで出来る最良のスタイル"を模索しながら、ようやく開催できるところまで到達した印象です。
 「vsIOG」で、ネタ無しのガチなフラッグ戦は珍しいことだと思うので、個人的にスンゴイことになるんじゃないかと期待しています。前回が5時間耐久戦、今年は一回戦が数分で終わるかも知れないので、両部隊の作戦会議板も、白熱しているんじゃないかと思います。

ジレンマ
 それと、今年は、もうひとつ注目したいことがあります。

 現在、このイベントを主動している皆さんは、「vsIOG」以前にサバイバルゲームイベントを開催していた際、たくさんの方が参加して好評だったイベントではあったらしいのですが、残念というか、ジレンマを感じていた問題があったそうです。
 それは、スタッフ専従になり、ゲームに参加できない人が必ず出てしまうことだったそうです。
 「そんなの当たり前だろ?スタッフがプレーヤー参加しちゃマズイだろ?」と思うのが普通だし、有料フィールドやギャラを貰えるスタッフがいるイベントなら「ちゃんと管理運営しろよ!と文句はいくらでも言えますが、そもそも、自分たちがやりたくて始めたことで、自分たちが一番楽しみたいと思ってはずの有志の皆さんが、スタッフ専従で運営や"サービス"に徹するイベントでは、ストレスやジレンマを感じるのは無理もないことです。ここに限らず、有志中心のイベントを主催運営された経験を一度でもお持ちの皆さんには、共感頂ける問題ではないでしょうか。

Every Marine is a rifleman
 そんなことがあり、「vsIOG」を立ち上げる際に、「全員スタッフ、全員(プレーヤー)参加」をイベントの原点に掲げたそうですが、現実的には、従来通りにスタッフ専従者を解消できずに、これまでは実現できなかったそうです。
 それを、よりにもよって今年、敢えて原点回帰、全員参加を徹底しようと、スタッフの皆さんが調整を続けています。難しい環境を逆手にとったこの試みは、個人的に興味深いと思っています。

 「Every Marine is a rifleman」じゃないですが、「全員スタッフ、全員(プレーヤー)参加」は、有志主催型ののイベントスタイルだと思います。しかし、地元の皆さんを見てると、夢に終わるのではなくて、実現できるんじゃなかと思っています。
 ゲーム自体の公正さを確保できれば、後は英知、と言っては持ち上げ過ぎですが、進行と段取りの工夫、参加者全員の理解があれば、できるんじゃないかと思っています。

自分ができることから
 全員がプレーヤー参加を可能にするためには、"全員スタッフ"の意識共有も大切だと思います。スタッフといっても大袈裟に考えずに、帰り際に周りをちょっとキレイにしたとか、段取りが分からなくて困っている方に声を掛けたとか、そんなんでいいと思うんです。運営に関する文句があれば、対案とセットしたら立派な提案になる訳ですし、誰もやってくれないなら、最初に気付いたキミが率先して動いてくれたら改善に繋がるんです。そんなことを積み重ねたら、「全員スタッフ、全員参加」の夢は叶うんじゃないかと思います。
 言う程すんなり行くとは思いませんが、こうした意識共有ができれば、今年はできなくても、明確な目標として掲げ続けて定着できれば、新しい文化風土が育っていくんじゃないかと信じています。

 前フリが長くなりましたが、そんな訳で、IOG制作の予告編ビデオを紹介します。
■「vsIOG 2nd.season」予告編


 現在のフィールド状況は、下記のビデオを参照下さい。草が人の身長以上のところもあります。
Iwate Airsoft War Games / SPAS12/FA-MAS/SCAR-L/G18C/ 20110710


Iwate Airsoft War Games / M203/MINIMI/M14/M4/AKS-74U/G36

 フィールド状況映像としては、フィールドを横断してみたビデオを限定公開してるのですが、みている方が少ないようで残念です。大して貴重なフィールド情報はないと思いますが、初参加の方や県外から参加される方は、当日になってアセらないように一度は見ておいた方がいいかも知れません。勿論、欺瞞工作の可能性もありますが。

暑さ対策は大事
 現在、両部隊共に、作戦のブラッシュアップに余念のないところだと思いますが、事務局からの重要連絡として、暑さ迷子対策の徹底がアナウンスされています。
 近年の気候の変動で、岩手でも真夏日が珍しくなくなり、特に、真夏の炎天下の河川敷フィールドでは、40℃近い気温が見込まれます。無理をすると命の危険もありますので、水分補給を始めとする暑さ対策は、各人周到な準備をした上で、イベントを楽しみましょう!

苦境からステップアップ
 さてさて、まだまだ救済、再建が進まないばかりか、問題続出する中で、今回のvsIOG開催決定の影には、たくさんの方々の後押しがあったと伺っています。規模縮小や簡素化は回避できませんでしたが、これまで以上に充実したイベント作りへの1ステップとして、無事に乗り越えられることを、参加者の一人として期待しています。

 たかが"遊び"ですが、何事も一生懸命やってると、何かが見えて来るもので、なかなか面白いものです。
 最後まで読んで頂いた皆さん、ありがとうございました。いずれ、事後報告ができると思いますので、もう少しの間だけでも、「vsIOG」に興味を持って頂けたなら幸いです。





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Posted by Pawn19  at 05:00 │Comments(0)Event

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